「夜になかなか寝つけず、朝になっても前日の疲れがとれていない気がする」
「些細なことでイラついてしまい、仕事でも平凡なミスが増えた」
「若いころの自分に比べて、体力面などいろいろと衰えが気になる」
健康診断の結果に異常がなくても、40代~60代の男性で上記のような、「なんとなくの健康不安」を悩みに持つ人がいます。「当てはまる」と感じた人は、念のため男性の更年期障害を疑ってみる必要がありそうです。
男性の更年期障害は、「加齢性腺機能低下症」または「LOH症候群」という診断名で呼ばれることもあります。ストレス社会を背景に悩む人は増えており、国内の潜在的な患者数は600万人とも言われています。
加齢とともに誰にでも起こりうるものではあるものの、放置や我慢を続けてしまうと他の疾患リスクにもつながってしまう怖い側面もあります。今回はそんな男性の更年期障害をテーマに、基本知識をおさらいします。
男性の更年期障害とは?
男性更年期障害では、全身の疲労感や倦怠感、性欲低下、ED(勃起障害)、不眠、肩こりといった身体的な症状、気力の衰え、集中力の低下、イライラといった精神的症状など、女性の更年期障害や自律神経失調症と似た症状が出ます。症状の幅は広く、感じ方にも個人差が大きいのが特徴です。
<男性ホルモンの分泌量低下が原因>
男性の更年期障害の直接の原因は、体内で作られる男性ホルモン(テストステロン)の分泌量低下です。加齢とともに分泌量が下がり、生活習慣や運動不足、そしてストレスなどが引き金となって不調を引き起こします。
<悩みを抱える世代が幅広いのが特徴>
女性の更年期に比べ、男性は更年期の悩みを抱える世代の幅が広いとされています。これは閉経期にホルモンの乱れが集中しやすい女性に対し、男性の性ホルモンは30代以降に徐々に低下していき、比較的若い時期から老齢期まで、いずれの年代でも更年期障害を発症する可能性があるためです。
<男性ホルモン値には他にも重要な意味がある>
男性ホルモンは男らしい体つきや性成熟を司るホルモンとして知られています。しかし、近年の医学研究では、男性ホルモン濃度と糖尿病や肥満、骨粗しょう症、心血管疾患などの関係性も指摘されるようになりました。男性ホルモン値を正常に保つことには、更年期障害の予防以外にも多くのメリットがあると言えるでしょう。
どんな対処法がある?
更年期障害が気になる男性は、まずは医療機関に相談・検査するのが賢明です。泌尿器科などで専門外来を設置している医院は数多くあります。ここでは、医療機関での対応を含めて、男性の更年期障害の一般的な対応を紹介します。
<軽度であれば、運動療法などで改善>
男性ホルモン値が少し低いだけの場合、自覚症状が少ない場合などは、運動療法や食事療法、生活習慣の改善指導、ストレス原因の特定のためのカウンセリングなどが行われます。自分でできるもので特に効果的なものは「筋力トレーニング(筋トレ)」で、男性ホルモンの分泌量アップに高い効果があるとされています。
<重度になるとホルモン補充も>
薬物療法としては、漢方薬なども活用されていますが、欧米の医療で盛んな「ホルモン補充療法」も広く選択されるようになりました。希望する場合は、必要な専門知識を持つ医師に相談しましょう。
<生活習慣と早めのチェックで予防>
生活習慣の改善(特に運動不足解消)のためにも、男性の更年期障害対策は、早めのチェックが有効であることがわかりますね。自分の健康状態を知ることは、他の疾患リスクにも対応できますので、予防をしたい人にはおすすめです。
ホルモン値のセルフチェック活用も視野に
男性の更年期障害は決して珍しいものではなく、年齢とともに誰にでも訪れる可能性のあるものです。しっかりと、早めに対応すれば大きな改善も見込めるので、恥ずかしがらず、ためらわず向き合うほうがよいでしょう。
「自覚症状がないのにわざわざ病院でチェックするのは気が引ける…」
「ちょっと気になるが、忙しいしよいクリニックが近場にない…」
といった人は、私たちウェルミルが提供する郵送型のリモート検査を活用する選択肢もあります。手軽な検査で、男性ホルモン値以外にも体内のカラダ数値を「見える化」できるので、更年期の簡易的なチェックとして、また、毎日の健康管理にもおすすめです。