最終更新日: 2025年03月26日

クラミジア感染症と淋菌感染症は、日本国内において依然として重要な性感染症として報告されており、特に若年層を中心に感染が拡大しています。
本記事では、両感染症の原因・症状・感染経路・治療法の違いについて、分かりやすく比較解説いたします。
クラミジア感染症とは?
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされ、性交渉時の粘膜接触や体液の交換を介して感染します。
男女ともに半数以上が無症状であるため、知らずに感染が進行するケースが多く、特に女性では膣分泌物の変化や下腹部の痛み、不正出血などが現れ、進行すると骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊の原因となる可能性があるとされています。
さらに、オーラルセックスにより咽頭への感染も報告されているため、注意が必要です。
淋菌感染症とは?
一方、淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)が原因で発症します。
感染は主に性交渉により起こり、男性では尿道に炎症を引き起こし、排尿時の激しい痛みや膿状の分泌物が特徴的なようです。
女性は無症状の場合が多いものの、感染が進行すると子宮内膜炎や卵管炎を起こし、不妊症や子宮外妊娠などの深刻な合併症につながる恐れがあります。
近年は薬剤耐性菌の増加も懸念されており、早期検査・早期治療がますます重要となっています。
症状・感染経路・治療法の比較
症状の違い
クラミジア感染症
・発症が緩やかで無症状のケースが多い
・男性は排尿時の痛み、透明または乳白色の分泌物が見られる場合がある
・女性は分泌物の量や色の変化、下腹部痛、不正出血が現れる場合がある
淋菌感染症
・比較的早期に症状が現れる傾向がある
・男性は強い排尿時の痛み、黄色~黄白色で粘り気のある膿状の分泌物が特徴とされる
・女性は無症状の場合が多いが、症状が出た場合は分泌物の変化や下腹部痛などが報告される
感染経路の共通点
両感染症とも、性器はもちろん、咽頭や直腸、眼など粘膜を介した直接接触により感染します。
したがって、性交渉時における正しいコンドームの使用や、複数のパートナーとの接触を避けることが予防に繋がります。
治療法の違い
クラミジア感染症
内服の抗菌薬(一般的には単回服用)により高い治癒率(約90%)が期待されると言われています。
淋菌感染症
注射または点滴による抗菌薬治療が主流であり、治療後は再検査による確認が推奨されます。
いずれの場合も、治療後の再感染防止のため、パートナーとの同時治療が必要です。
早期発見の重要性
クラミジア感染症は、無症状で進行するケースが多いため、特に女性の場合、感染に気づかず放置してしまうリスクがあります。
また、淋菌感染症は症状が明確な反面、治療が遅れると薬剤耐性菌による重篤な合併症の恐れもあります。
いずれも早期発見・早期治療が健康維持に直結するため、リスクがあると感じた場合は、症状の有無にかかわらず定期的な検査を受けることが大切です。
まとめ
クラミジア感染症と淋菌感染症は、いずれも性交渉による感染が主な原因で、無症状で進行するリスクが高いことから、定期検査による早期発見が非常に重要です。
症状や治療法に違いはあるものの、どちらも放置すると深刻な合併症に発展する可能性があるため、正しい知識と予防策の実践が求められます。
ウェルミルでは、従来の郵送検査に加え、今回新たにクラミジア・淋菌検査を開始いたしました。
自宅にいながら簡単に検査が受けられるため、症状がない場合にも安心して検査を実施でき、早期発見・早期治療につながります。