AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは?その役割と妊活におけるAMHの重要性

最終更新日: 2024年06月20日

妊活を考える女性にとって、自分の卵巣の状態を把握することは非常に重要です。抗ミュラー管ホルモン(AMH)はその鍵となるホルモンの一つです。本記事では、AMHの基本情報からその意義、妊活への活用法について詳しく解説します。

抗ミュラー管ホルモン(AMH)の基礎知識

抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、女性の卵巣にある小さな卵胞(前胞状卵胞)の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。前胞状卵胞は、将来排卵可能な成熟卵胞へと成長する過程で重要な役割を果たします。AMHの値は、卵巣予備能(卵巣年齢)を示す指標として利用されます。

卵巣予備能とAMHの関連性

AMHは卵巣予備能を示す指標であり、卵巣内に排卵可能な卵子がどれくらい残っているかを知る手がかりとなります。このため、不妊治療や妊活を考える際に非常に重要です。例えば、20代の女性がAMH値を測定した場合、その結果から卵巣年齢が分かります。

卵巣年齢と妊娠の可能性

「卵巣年齢」とは、卵巣に残っている卵子の数が何歳相当であるかを示す概念です。年齢とともに卵子の数が減少するため、AMH値を測定することで自分の卵巣年齢を知ることができます。例えば、30歳の女性がAMH値を測定した結果、卵巣年齢が25歳相当であれば、卵巣の健康状態は良好といえます。

年齢とともに変化するAMH値

AMHの血中濃度は思春期以降に上昇し、25歳頃にピークを迎え、その後は年齢とともに徐々に減少します。このため、AMH値を定期的に測定することで、卵巣の健康状態をモニタリングし、適切な時期に妊活や不妊治療を開始するための指標とすることができます。

統計によると、35歳の女性の平均AMH値は1.5ng/mL程度ですが、40歳になると0.5ng/mL以下になることが多いです。これにより、妊娠の可能性が低くなることが理解できます。

低AMH値の影響と対策

AMH値が低いと、卵巣内の卵胞数が減少していることを示し、妊娠の可能性が低くなることがあります。しかし、AMH値が低いからといって絶対に妊娠できないわけではありません。低AMH値の女性でも、適切な不妊治療により妊娠に成功する例もあります。例えば、AMH 値が非常に低い (<0.5 ng/ml) 女性が IVF を受ける場合、その予後は年齢によって大きく左右されるものの、妊娠できる可能性は十分にあります。

高AMH値と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

AMH値が高い場合、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が考えられます。PCOSは月経異常や不妊の原因となることがあり、AMH値が高いことがその一つの指標となります。

PCOSの診断と治療方法

PCOSの女性は通常、AMH値が高い傾向があります。これは卵胞の成熟を妨げ、排卵障害を引き起こすことがあります。PCOSの診断にはホルモン検査や超音波検査が用いられ、治療にはホルモン療法やライフスタイルの改善が一般的です。

統計データによると、PCOSの女性の平均AMH値は4-10ng/mLであり、正常値を大きく上回ることが多いです。

AMH検査の流れと意義

AMH検査は、血液検査で簡単に行うことができます。特定の日に制約なく採血可能で、結果は通常数日以内に得られます。検査結果を基に、医師と今後の妊娠計画や治療方針について話し合うことが重要です。

AMH検査の具体的なプロセス

採血: 血液サンプルを採取します。
分析: サンプルを分析し、AMH値を測定します。
結果の説明: 結果が出た後、医師が結果を説明し、必要な治療計画を立てます。
例えば、AMH値が1.0ng/mL以下の場合、医師は体外受精(IVF)を早めに検討することを提案することが多いです。

妊活計画におけるAMHの活用

AMH値を測定することで、妊活の計画を立てる際に非常に役立ちます。例えば、体外受精(IVF)を検討する際の指標となり、刺激法や薬物治療の選択が行われます。また、PCOSの診断や治療の計画を立てる際にもAMH値が参考になります。

妊活を始めるための第一歩としてのAMH検査

妊活を考える際、まずはAMH検査を受けて自分の卵巣年齢を知ることをお勧めします。卵巣の健康状態を把握することで、最適な時期に妊活を開始することができ、妊娠の可能性を高めることができます。
例えば、20代の女性がAMH検査を受けた結果、卵巣年齢が実年齢と一致している場合、妊娠の計画を立てやすくなります。

AMHを計測するのにおすすめのタイミング

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣予備能を評価するための重要な指標です。AMH値は月経周期に大きな影響を受けないため、他のホルモン検査と比べて柔軟に検査が可能です。しかし、いくつかの点に留意することで、より正確な評価が期待できます。

月経周期に関係なく検査可能

AMHの最大の利点の一つは、月経周期のどの時期でも検査が可能なことです。これは、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)など、他のホルモンとは異なり、AMH値が月経周期の変動に影響されにくいためです。そのため、AMH検査は忙しい女性でも、月経周期を気にせずに都合の良い時期に受けることができます。

年齢を考慮したタイミング

一般的には、20代から30代前半の女性が最も高いAMH値を示します。30代後半から40代にかけては徐々に低下します。妊活や不妊治療を考える場合、特に以下のタイミングでAMH検査を受けることが推奨されます。

妊活を始める前

AMH値を確認することで、卵巣予備能の現状を把握し、妊活計画を立てる際の参考にします。

不妊治療を開始する前

不妊治療の一環として、初期段階でAMH値を測定することで、最適な治療法を選択するための情報が得られます。

まとめ

AMHは卵巣年齢の評価に非常に有用なホルモンですが、他の健康状態や検査結果も総合的に考慮しながら、妊娠の可能性や治療方法を検討することが重要です。AMH値を定期的に測定し、自身の卵巣の健康状態を把握することで、適切な妊活や不妊治療の計画を立てることができるでしょう。

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参考文献
抗ミュラー管ホルモン(AMH)参考基準範囲 福山臨床検査センター https://www.fmlabo.com/exams/pdf/p36-1.pdf

卵巣予備能とは? 公益社団法人 日本産婦人科医会 https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%883%EF%BC%89%E5%8D%B5%E5%B7%A3%E4%BA%88%E5%82%99%E8%83%BD%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/

Revelli A, Biasoni V, Gennarelli G, Canosa S, Dalmasso P, Benedetto C. IVF results in patients with very low serum AMH are significantly affected by chronological age. J Assist Reprod Genet. 2016 May;33(5):603-609. doi: 10.1007/s10815-016-0675-7. Epub 2016 Feb 18. PMID: 26888025; PMCID: PMC4870438.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4870438/