天気の変化による頭痛(天気痛)は更年期や女性ホルモンと関係あり?

「季節の変わり目になるとなんだか身体が重たい」
「雨が降っていると、すべてのことにやる気が出ない」
「台風や低気圧が近づくと、耳鳴りや頭痛がする」

このように天候の変化で気分や体調が悪くなったり、頭痛などを感じる症状は「天気痛(※または気象痛)」と呼ばれています。医療機関に相談するほどの症状ではなくても、天気痛に悩まされている人は多く、潜在的に日本人の半数以上にその傾向があるという試算もあります。

多くの場合、天気痛そのものからくる症状は、重篤に悪化したり命にかかわったりするようなものではありません。しかし、体内のホルモンバランスにゆらぎの出やすい女性や、更年期の悩みを抱える世代にとっては、日常生活にも支障が出るほどのつらい悩みとなることもあります。

今回は、そんな天気痛について、基本知識や予防法、更年期やホルモンバランスとの関係について、お話しします。
※天気痛は気象痛とも呼ばれることもありますが、同じものです。以下、この記事内では天気痛で表記します。

天気痛とは何か?原因や更年期との関係は?

天気痛が起こるしくみは、実はシンプルです。人間の耳の奥にあるセンサー集合体「内耳」が、気圧の変化に過剰反応してしまうことが原因だとされています。

「内耳」は脳に近く、平衡感覚などをつかさどる非常に敏感なセンサーです。内耳は、気圧の変化も感じ取ることができます。飛行機やエレベーター、トンネル内などで耳鳴りがした経験は誰にでもあると思います。人間の内耳は、野生動物ほど敏感とはいかないものの、「気圧の変化」を読み取って脳に知らせているのです。

この内耳が「過剰に」反応してしまうと、自律神経が混乱します。その混乱によって天気痛の症状が出るとされています。

症状はさまざま

天気痛の原因はシンプルですが、表れる症状には個人差が大きく、さまざまな痛みや不調を引き起こす可能性があります。

たとえば、片頭痛のような頭痛の症状を訴える人は多いです。ただし他にも、めまい、肩こり、首痛、腰痛、眠気、古傷などの神経痛の悪化、耳周辺の違和感、気分の落ち込み、うつ、不安感など、その症状は多岐に及びます。

更年期との関係は?

天気痛に悩む人の割合は、女性が多いとされています。女性の脳構造や感覚の繊細さに起因するとも考えられていますが、理由がはっきりわかっているわけではありません。

更年期と天気痛には、原因には直接の関係がはないものの、「自律神経の乱れが起きる」という点では共通しています。ホルモンのゆらぎが起きやすい女性、仕事などで大きなストレスを受けている人、生活習慣が乱れがちな人なども「自律神経の乱れ」が起きますから、そういった人は天気痛にもなりやすいと言えます。

天気痛の症状は、更年期の諸症状をはじめ、他の「自律神経の乱れ」「ホルモンバランスの乱れ」から来る諸症状と重なる部分が多く、人によっては複数の原因が重なっていることも珍しくありません。

天気痛の予防法や対策はある?

天気痛に有効な、予防法や対策はあるのでしょうか?

天気痛のきっかけである、「気圧の変化」は物理的な原因であり地球規模のもの、どちらにせよ直接防ぐことはできません。

したがって、センサーである「内耳」の調子を整えてあげることが、予防策になります。

耳周辺のマッサージや保温がおすすめ

内耳の調子を整えたい場合は、「内耳の血行をよくすること」を中心に考えてあげましょう。

両耳を手で引っ張り、クルクルと回す体操は空き時間に手軽にできます。耳のやや後ろにあるツボ「完骨(かんこつ)」や首周辺を温めてあげることも、血流をよくする効果があります。

もちろん、耳周辺だけでなく、多めの水分補給を心がけること、スポーツなどの全身運動や入浴などで、身体全体の血流をよくすることなども有効です。天気痛対策の中でも日常的な予防的ケアとして取り入れてみましょう。

更年期の対策も共通して有効

内耳の調子を整えてあげる以外の天気痛対策はあるのでしょうか?

天気痛に対しては、結局のところ、「自律神経の乱れをなるべく防ぐ」という心構えでいればよいわけですから、更年期対策の知識をそのまま活用することもできます。

すなわち、ストレスを溜めない生活、適度な運動、健康的な食習慣、規則的な睡眠時間をベースにした生活リズムなど、更年期やホルモンのゆらぎに備える生活習慣は、そのまま天気痛対策と考えることもできます。

まとめ

今回は、更年期の女性を悩ますことの多い、「天気痛(気象痛)」のお話でした。

天気痛は、気圧の変化をきっかけに、自律神経が乱れることが原因で起こります。更年期世代だけでなく、ホルモンバランスのゆらぎの多い女性にも起こりやすく、さらに、ストレスに晒されやすい生活をしている人は男女問わずケアが必要と言えるでしょう。

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