最終更新日: 2024年04月08日
組織におけるバックオフィス業務では、従業員の健康管理も重要な課題ですね。
特に、近年注目されているのは、更年期を迎える従業員の心身のケアについてです。
NHKでは、『更年期症状によって仕事に何らかのマイナスの影響があった、いわゆる「更年期ロス」にあたる人は推計で100万人超。さらに、更年期の休職や離職による経済損失は男女合わせて年間およそ6300億円』との報道番組も組まれました。※
【前編】では、バックオフィス業務の視点から「更年期を迎える従業員の心のケア」「更年期ケアの重要性」などを考察しました。後編の今回は「健康リテラシーの醸成」や「心理的安全性の向上」といった、強い組織づくりに関わるテーマも、更年期障害の対策にからめて考えていきます。
※https://www.nhk.or.jp/minplus/0029/topic042.html#section03
健康リテラシーを高めて生産性アップ
男性と女性、それぞれ更年期の身体には何が起こるのか、生涯にわたるホルモンの変化と健康課題を学ぶことはとても重要です。組織内の健康リテラシーを高め、更年期や生活習慣病、がんなどのリスクについても、チームや組織内で気軽に話し合える関係性が理想ですね。
バックオフィス的視点では、そのためにどのようなアクションが提案できるでしょうか。
<セミナー・学習会の開催>
正しい知識をもとにして議論することは大切です。組織として医療関係者やカウンセラーを招いて学習会を開催するのはとてもよいアイデアです。日常的に社内報などで啓蒙活動に取り組み、参加率を上げていくことが課題となるでしょう。
<リモート検査キットの導入>
社内での定期健康診断に向き合ってもらうことは当然として、さらなるオプションとしてウェルミルが提供する「郵送型のリモート検査キット」などを希望者に配布、または共同購入していただくというアイデアもあります。セミナーと併せて導入いただくことで能動的な行動変更を促すことにつながり、個々の健康リテラシー向上が期待できます。
心理的安全性のバロメーター
Google社の「プロジェクト・アリストテレス」の発表以降、マネジメントの世界では「心理的安全性(※)」が生産性向上の大きなキーワードとなっています。
※心理的安全性とは?
もともとは心理学用語、psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)を和訳したもので、「『対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全である』という、チームメンバーによって共有された考え」と定義される。1999年、組織行動学の研究者である、エイミー・エドモンドソン教授が生産性のカギになる要素として提唱した。その後、Google社が2012年から4年の歳月をかけた、プロジェクト・アリストテレスの大規模調査により、「生産性の高いチームにおけるもっとも重要なファクターである」と結論づけられ、世界中の企業から注目を集めるようになった。
更年期の問題に向き合うことは、誰もが安心して働ける場所づくりや、心の緊張や対人関係のストレスが少ない組織環境づくりに深くかかわります。つまり、更年期問題に取り組むことは、心理的安全性への取り組みにおいても1つのバロメーターとなるのは明らかです。
まとめ
いかがでしたか?
人事や労務のバックオフィス業務において、更年期問題などに積極的に取り組むことは、組織の生産性をより強固なものにするために、今後ますます必要とされてくるでしょう。
組織内の健康リテラシーの向上のためには、社内セミナーなどを開催し啓蒙につなげる活動や、リモート検査などの心理的ハードルの低いオプションを用意するなどの手段が効果的です。
更年期問題への取り組みは、心理的安全性の醸成にも、必ず役立つはずです。
なお、記事冒頭で紹介したNHK報道では、『更年期の症状によってもたらされるさまざまな困難は、「個人の問題」とされ、支援が必要だといった社会的な認知は十分ではなかった、しかし社会が適切にサポートすれば「更年期ロス」はなくすことができる』と結んでいます。
労働環境の質が問われやすい現代において、人事や労務などのバックオフィス業務も複雑化し、新たなニーズや選択肢が次々と生まれています。私たちウェルミルも、リモート検査などのサービスを通して、誰もが安心して働ける社会づくりのお手伝いをしていきたいと考えています。