リモート検査は、自宅にいながら少量の血液やだ液を採取し、郵送するだけでホルモン値などのチェックを行うことができます。これらのリモート検査では、健康保険が使えるのかどうか気になるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、リモート検査と健康保険の関係について解説します。
リモート検査でも健康保険が使えるのか
結論としては、リモート検査であっても、保険診療をオンライン診療で行った場合に併せて実施ものであれば健康保険が使えます。
実際に、2020年4月にオンライン診療についての規制が緩和されて以降、オンライン診療は普及しつつあります。*1
その一方で、採血検査をリモート検査で実施している医療機関はまだ多くはないようです。
健康診断や人間ドッグなどの「病気の治療を目的としていない診療」を想定したオンライン診療では、各医療機関が検査会社と提携し、自己血採血キットを用いてリモート検査を行っているケースが見られます。診療目的ではなく、自分の体のことを知りたい、というような健康診断の意味合いを持つ場合には健康保険適応とはならず、自由診療となります。
健康保険の適応となる診療とはどのようなものなのか
健康保険法などの医療保険にまつわるいろいろな法律によって、保険者(つまり医療を受ける側)と保険医療期間との間には保険診療という契約が結ばれています。*2
そして、健康保険の適応となる診療は、一般に医師が診療の必要があると認めた病気や怪我に対して、適確な診断を元にして、患者の健康の保持増進上、妥当かつ適切に行わなければなりません。*3
診療が必要となる病気や怪我としては、例えば風邪症候群や肺炎などの感染症、悪性新生物、つまりがん、脳梗塞や心筋梗塞などの血管障害、高血圧や糖尿病、脂質異常症などのいわゆる生活習慣病などがあります。
また、怪我としては骨折や打撲、切り傷や擦り傷といったものがあります。
一方で、美容整形や人工妊娠中絶、正常な妊娠や分娩、健康診断や人間ドック、予防接種には健康保険は適用されず、自由負担となります。
健康保険が使えないリモート検査を受ける意味は?
では、健康保険が使えないような健康診断などの目的でリモート検査を受けることにはどのような意味があるのでしょうか。
ウェルミルでは健康診断や人間ドックでは受けづらい項目をウェルミルではラインナップに挙げています。
つまり、クリニックや病院などの医療機関に通院するほどではないが、悩みがある、病院に行く時間がない、病気ではなくセルフメンテナンスの一環・継続して数値を管理したい、という方にはリモート検査はおすすめのサービスといえます。
何らかの不調が出た後での治療というよりも、健康診断に近い位置付けとして、リモート検査を受けると良いでしょう。
未病という、病気としての症状は現れていないものの、将来的に大きな病気を招く可能性がある状態であり、健康と病気の境界の状態を指す言葉があります。*4
自由診療でのリモート検査は、この未病の状態であるかどうかを調べることについても有効であるという位置付けとなっています。
まとめ
今回の記事では、リモート検査と健康保険の関係について解説しました。
リモート検査がすべて保険診療の対象外である訳ではありませんが、現時点ではリモート検査の多くは自由診療の範疇と考えられます。
メリットやデメリットを理解した上で、日々の健康管理に役立てていけると良いでしょう。
ウェルミルサービスでは、おすすめの検査キットとして、女性ホルモンや男性ホルモンなどをだ液で調べる検査キットや、甲状腺ホルモンやAMHなどの検査項目を使った不妊チェックができるキットを取り揃えています。
自宅で自分の現在の体の状態について調べてみたい、という場合に、ぜひご活用くださいね。
ウェルミル:https://www.well-mill.com/
参考文献
*1 令和3年版 情報通信白書|データで見るオンライン診療の状況
*2 保険診療の理解のために 厚生労働省保険局医療課医療指導監査室 p5