関節痛|つらい膝の痛み、原因と対策を解説!

最終更新日: 2023年11月01日

関節痛、特に膝に痛みがあると、長く歩いたり走ったりできなくなるだけでなく、階段の上り下りや、立つ・座るといった家の中での動作さえ、つらくなりますね。高齢者の中には、ひざの痛みが原因で外出が減ってしまい、認知症が進んでしまうようなこともあります。

今回はそんな関節痛・膝痛についてのお話です。

ひざの痛みには、加齢によって発症しやすいものや、ケガや使いすぎがきっかけで発症するものなど、さまざまな疾患があり、その原因や対策もさまざまです。症状や対処法を学び、健康な生活に役立ててください。

※本記事は自己診断を目的としたものではありません。記事を読んで疑わしいと感じた場合や思い当たる症状があれば、整形外科などの適切な医療機関を受診し、詳しい検査をすることをおすすめします。

加齢とともに発症しやすい痛み

加齢とともに発症しやすいひざの痛みでは、「変形性膝関節症」や「関節リウマチ」がよく知られています。

<変形性膝関節症>

ひざの軟骨がすり減り、最終的には骨や関節の変形まで引き起こす疾患です。日本人はいわゆるO脚型の人が多いため発症リスクが高く、国内の患者数は2500万人を超えるとされています。加齢により症状が進みやすく、50歳以上で膝に違和感や痛みがあれば疑うべき疾患です。

変形性膝関節症はその名の通り、膝関節を含めた脚全体が変形していく病気です。初期では、起きあがる際や歩きはじめに一時的に膝が痛んだり違和感を感じたりする程度です。しかし、症状が進行するとあらゆる膝の動作が困難になり、最終的には安静にしていても痛むようになります。

この病気は女性に多い疾患としても有名です。ホルモンや筋肉量、骨格など、男性に比べ女性は発症しやすい因子を多く持っているとされ、実際の患者比率も女性に偏っています。その他に、遺伝的要因、肥満、外傷なども発症因子となると考えられています。

患者数の多さにより、治療法の研究も進んでいる疾患であり、早期に治療を開始できれば治療法の選択肢が複数あります。軽いひざの痛みでも老化現象のひとつと楽観視せず、早めに検査を心がけることが大きな対策となるでしょう。

<関節リウマチ>

リウマチは長らく発症メカニズムのわからない病気とされてきましたが、現在では体内の免疫機能が暴走し、関節を覆う組織「滑膜」を攻撃してしまう免疫系の疾患だと考えられています。滑膜が攻撃されると炎症が起き、それが長期間続くことで軟骨や骨が破壊されてしまう、恐ろしい病気です。

関節リウマチの症状の特徴は、ひざに限らず全身のあちこちの関節で、腫れ・痛み・変形が生じることです。また、関節が重くなって力を入れづらくなる、ゴワゴワした感覚があったら要注意で、症状が進むにつれて、痛みだけでなく関節付近にブヨブヨとした腫れが目立つようになります。

リウマチは変形性膝関節症に比べると患者数は少なく、国内で70万人前後とされていますが、女性患者の比率が高いという点は共通しています。

リウマチの治療においては、症状の進行した患部を元に戻すことはできなくても、リウマチの進行を遅らせ、問題なく日常生活ができる寛解(かんかい)という状態を目指す治療が一般的になっています。近年は治療法の研究も進み、生物学的製剤や人工関節手術などの選択肢も実用化されていますが、いずれにせよ早期発見が治療効果を得るカギになります。

スポーツ・ケガなどで発症しやすい痛み

運動中のケガや疲労、転倒事故での打撲などをきっかけに膝痛となってしまうことはよくあります。こうした膝痛の大半は、無理をしないこと、柔軟体操、サポーターの活用などで予防することもでき、発症しても適切な診断と処理があれば完治することもできます。

<スポーツや疲労が原因となりやすい膝痛>

スポーツや疲労による膝痛はかなり種類が多く、痛める部位によって膝靭帯損傷、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)、ランナー膝(腸脛靭帯炎)、鵞足炎など、さまざまな呼び名がついています。関節を含め、骨や筋肉が成長途中にある若年期~激しい練習などをしがちな若い世代に患者が集中していますが、中高年世代でも発症する可能性はあります。靭帯を断裂しているほどの重症であれば、すみやかな治療が望まれます。それ以外の症状の多くは数日~数週間の安静で軽快するのが共通の特徴です。ただし、我慢できるような痛みであっても適切な治療をすることで症状の再発防止ができるので、放置せず、症状のあるうちに整形外科を受診するとよいでしょう。

<ケガがきっかけになりやすい膝痛>

ケガ、すなわち、ひざの打撲や外傷が原因となる膝痛にもさまざまな種類があります。中でも膝の安定化装置である「半月板」が傷ついてしまう、半月板損傷などが代表的な例です。これらのタイプの膝痛は治療を受けなくても痛みが治まるケースがありますが、原因となっている場所を治療しないと、後になって慢性的な膝痛へと発展する可能性があります。関節周辺の組織の破損は、自然に治ることはほとんどないからです。転倒や事故でひざを打ちつけた場合は、なるべくすみやかに検査を受けることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?ひとことで関節痛といっても実に多くの症状や疾患があり、今回見てきた膝痛だけでもたくさんの種類があることはわかっていただけたかと思います。他にもベーカー嚢腫など、特徴的な症状のある膝痛も存在しますので、膝痛の症状が出たら自己診断はせず、なるべく早く医療機関に行きましょう。

ご紹介してきた通り、「ケガや疲労による膝痛」は早期に処置することで再発を防いだり、完治させたりすることができます。また、完治が難しく、年齢とともに発症リスクが高まる「変形性膝関節症」や「関節リウマチ」に関しては、何よりも早期診断、早期治療が悪化させないポイントとなります。

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