乳がん検診は痛い?乳がん検査の流れと費用をご紹介

最終更新日: 2023年10月31日

乳がん検診とは?

乳がんは乳腺の組織にできるがんです。乳腺は、乳管と小葉(しょうよう)という組織からできています。小葉で作られた乳汁が、乳管を通って乳頭から分泌されます。乳がんの多くは乳管から発生しますが、一部は小葉から発生します。また、乳腺以外の乳房の組織から発生することもあります。

乳がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、乳がん検診として推奨できる検診方法は「乳房X線検査(マンモグラフィ)単独法」です。

「視触診単独」や「超音波検査(単独法・マンモグラフィ併用法)」は死亡率減少効果を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診、つまり住民検診として実施することは勧められていません。

乳がん検診は、40歳以上の女性が2年に1回受診するように推奨されています。

乳がんの検査で代表的な方法3つについて紹介

乳がん検診の代表的な方法3つについて紹介します。

視触診検査

視触診検査は、医師が目で乳房を観察してくぼみがないか、手で触れてしこりがないか、リンパ節が腫れていないか、乳頭から分泌物がないかなどを観察する方法です。
触診で発見できるものは、ある程度の大きさになったしこりです
視触診検査は、マンモグラフィや超音波検査と一緒に行うことが前提となります。

マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳腺をレントゲン撮影する方法です。
乳房を片方ずつプラスチックの板で挟んで撮影することで、小さいしこりや石灰化を見つける検査です。
乳房が圧迫されるため痛みを感じることもありますが圧迫時間は数十秒ほどです。
また放射線被ばくによる健康被害もほぼありません。
マンモグラフィは、基本的に1方向か2方向から撮影します。40歳代は乳腺密度が高い人が多いため2方向、50歳以上は1方向からの撮影としているところもあります。
乳腺密度が高いと、マンモグラフィでは真っ白に写り、病変が検出しづらい場合があるということになります。

超音波検査

超音波を使って乳房の病変を検査する方法です。
医師の視触診や自己チェックでは発見できないしこりや、見つかったしこりが良性か悪性かといった診断に用いられています。
技師や医師が、超音波を出す器具(プローブ)を乳房に押し当て、乳腺に異常がないかをくまなくチェックします。痛みはありません。
針を刺したり、放射線や薬を使ったりしないので、身体への負担は軽いというメリットがあり、乳腺密度の高い人や若い人への検査に適しているといわれています。
しかしながら、現在のところは、検診において死亡率減少効果があったと科学的に証明されているわけではないことは知っておきましょう。

年代別に勧められる乳がん検診は異なる?

40歳以上の女性は、マンモグラフィの検査を2年に1回受けることが推奨されています。
医師の触診や自己チェックでは発見できないしこりや、石灰化のある小さな乳がんの発見に適しています。
マンモグラフィ単独の検診は「死亡率減少効果がある」と報告されていて、視触診との併用では、「50歳以上では乳がんの死亡率減少効果があるとする十分な根拠がある」、40歳代では「死亡率減少効果があるとする相応の根拠がある」とされています。
このように、マンモグラフィは優れた検査方法ですが、若くて乳腺が発達している場合、写真では乳腺が白く写るため、乳がんが隠れてしまい判別しにくい場合があります。

一方、39歳以下の女性は、国が推奨する乳がん検診の対象とはなっていませんが、月に1回のセルフチェックをしておき、乳房の主治医を見つけておくと良いでしょう。
乳腺の濃度が高いことが多いため、マンモグラフィでは病変があっても検出しにくいことがあります。若いうちから主治医を探しておき、必要な場合には、定期的に超音波検査を受けておきましょう。

乳がん検査の費用はどれくらい?

自治体で実施しているがん検診、健康保険組合や所属する職場の健康診断でのがん検診など、実施方法によって料金は異なります。
乳がん検診は、基本的には症状がない方が受けるため、保険適応とはならない場合が多いです。

一例をあげます。

東京都予防医学協会では、個人的に検診を希望される方には、以下の内容・料金で提供しています(健康保険の適用外)。

【乳がん検診メニューの価格(税込)】

・マンモグラフィ(2D:1方向)、超音波 11,000円

・マンモグラフィ(3Dのみ:1方向)、超音波 13,200円

・マンモグラフィ(2D+3D:1方向)、超音波 14,300円

医療機関ごとに設定料金などは異なりますので、受診する前に問い合わせをしておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、乳がん検診として、マンモグラフィや超音波検査などについて解説しました。
乳がんは女性特有のがんであり、罹患率(りかんりつ:新たにがんと診断されること)も女性のがんの中では一番多いものとなっています。
がん検診を受け、早期発見・早期治療につなげましょう。
また、乳がんの発生においては女性ホルモンの関与が考えられています。
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参考文献

乳がん検診について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

乳がんについて:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

よくある質問 | 日本対がん協会

乳がん検診・子宮がん検診の費用について