しわ・たるみ|お肌によい食べ物は?日々の食生活も大切

最終更新日: 2023年10月31日

年齢とともにお肌に増えていく、しわやたるみ。特に、顔にできたしわは見た目の若々しさを奪ってしまいます。そうした中で、「美肌を生む食べ物」の存在は、古今東西、女性に限らず多くの人々の興味を集めてきました。

今回は、食べるだけでしわやたるみの対策になる、「お肌によい」とされる食べ物について、現代科学でわかっている根拠やエビデンスも添えながら、いくつか紹介します。

食品や栄養に関する正しい知識は、あなたのお肌の健康だけでなく、さまざまなヘルスケア・エイジングケアの場面で役立つことでしょう。

高タンパクで消化のよい食品

お肌の細胞が理想のうるおいとハリを保つには、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが大切です。それらの成分は加齢や紫外線ダメージなどで失われやすいものの、常に体内で作られて補充されるものでもあります。そしてその主な材料となるのがタンパク質を含む食品から得られるアミノ酸です。肉や魚、卵、大豆製品などをバランスよく摂取しましょう。

タンパク質は消化吸収を考慮するのもポイントです。生魚のお刺身や、カタマリ肉でのステーキは確かに魅力的ですが、「お肌のため」を重視するなら、消化吸収のよい調理方法がおすすめです。

<もうすこし詳しく>

タンパク質は基本的に、アミノ酸にまで分解されてから消化吸収されます。タンパク質を構成するアミノ酸は20種類、そのうち9種類の必須アミノ酸はヒトの体内では合成できないため、食事を通して得る必要があります。また、ヒトの体内に存在するタンパク質は10万種類を超えると言われ、コラーゲンやエラスチンもそうしたタンパク質の一部に過ぎません。あらゆるタンパク質が、必要に応じて体内(細胞内)で合成され、生命活動の維持に使われています。

したがって、「コラーゲン食品を食べたら、そのコラーゲンが直接お肌に届く」というような理解は、科学的には誤った解釈です。ただし、「コラーゲンはアミノ酸よりやや大きいペプチドの状態で吸収されて、コラーゲンの再合成に役立っている」という研究報告もあるため、コラーゲン食品やゼラチン成分を多めにとるのは、お肌にとって無意味というわけではなさそうです。コラーゲン入りスープなど、消化のよい食品であれば、積極的にメニューに取り入れる価値はあると言えます。

抗酸化作用成分を持つ食品

抗酸化作用のある成分は、肌の細胞を酸化ダメージから守ります。他にも血液の流れをスムーズにする働きなども期待できるため、スキンケアを意識した食事にはぜひ取り入れたい成分です。抗酸化作用を持つ成分で代表的なものはポリフェノール類やビタミンCなどがあげられます。緑黄色野菜やフルーツ類はそれら両方を含んでいるため、おすすめできます。

ビタミン・ミネラルを含む食品

お肌のバリア機能を高めるビタミンA、抗酸化作用のビタミンC、エネルギー代謝に関わるビタミンB群、女性ホルモンのバランスに関わるビタミンEなど、ビタミン類の摂取はスキンケアに欠かせない要素です。アミノ酸やタンパク質の合成には鉄分などのミネラルが必要になることも知られています。ビタミン、ミネラルの摂取には、ナッツ類や海藻類などがおすすめです。

食物繊維を豊富に含む食品

近年の研究により、腸内環境の良し悪しがお肌の状態に直接影響していることが、次々と明らかになっています。腸内環境を善玉菌の多い良好な状態に保つには、食物繊維を多く含む食品の摂取がカギになります。ちなみに食物繊維とはスジっぽい成分に限らず、ヌルヌルやネバネバといった成分も食物繊維です。食物繊維はきのこ、海藻類、根菜、発酵食品などに多く含まれています。

さらに、腸内環境のためには、食べ物をよく噛んで食べることも大事とされています。あごを動かしよく噛むことは表情筋の刺激にもなるので、「よく噛む習慣」は、しわやたるみ対策としては「一石二鳥」の効果が期待できます。

まとめ

いかがでしたか?今回ご紹介した情報が、理想のスキンケアを目指すうえで、役立つ知識になれば幸いです。