最終更新日: 2025年03月26日

近年、日本における性感染症(STI)の中でも、クラミジア感染症は女性に多く見られ、感染件数は約2万件前後と報告されています。
特に女性の場合、感染していても約8割が無症状であるとされており、自覚がないまま進行してしまって、骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊、子宮外妊娠といった深刻な合併症につながるリスクが高いことが指摘されています。
この記事では、女性のクラミジア感染症の主な症状や、自覚症状が少ないことの危険性、そして早期発見・治療の重要性について、最新の調査レポートに基づいて詳しく解説します。
目次
女性のクラミジア感染症の症状
女性におけるクラミジア感染症は、多くの場合、初期段階では自覚症状がほとんどないとされています。
症状が現れた場合でも、以下のような微妙な変化にとどまることが多いようですので、注意が必要です。
おりものの異常
感染すると、普段よりもおりものの量が増えたり、色が黄色っぽくなったり、異臭を伴う場合があります。これらは、子宮頸管や膣内に炎症が生じているサインとして現れるようです。
不正出血
生理時以外の出血や、性交後の出血が見られることがあります。不正出血は、子宮頸管の炎症が進行している証拠であり、早期の検査が求められます。
下腹部や腰回りの痛み
炎症が子宮頸管から上行し、子宮内膜や卵管にまで広がると、下腹部や腰回りに鈍い痛みや違和感を感じることがあります。これが進行すると、骨盤内炎症性疾患(PID)となり、後の不妊や子宮外妊娠のリスクが高まるとされています。
性交時の痛み(性交痛)
性交中や性交後に痛みを感じる場合もありますが、症状が軽微なために見逃されがちです。
自覚症状が少ない危険性
女性のクラミジア感染症は、自覚症状がほぼないとされ、感染に気づかず放置されるケースが多く、結果として以下のようなリスクが懸念されます。
骨盤内炎症性疾患(PID)の進行
無症状であっても感染が子宮頸管から上行し、子宮内膜、卵管、卵巣に炎症が広がると、PIDを発症することがあるようです。PIDは慢性的な腹痛や不妊、不規則な月経を引き起こすほか、卵管閉塞による卵管不妊や子宮外妊娠のリスクを高めるとされています。
不妊症のリスク
クラミジア感染症を放置すると、卵管に炎症による傷跡が残って閉塞し、結果として不妊症の原因となることがあります。将来の妊娠を希望する女性にとっては、早期発見と治療が非常に重要です。
母子感染のリスク
妊娠中にクラミジア感染が発覚しなかった場合、出産時に産道を通じて新生児へ感染する可能性があります。新生児結膜炎や新生児肺炎を引き起こすと、重篤な合併症につながることもあるため、妊婦検診時の注意が必要です。
早期発見・検査の重要性
クラミジア感染症は、抗菌薬による内服治療で高い治癒率(約90%)が期待できる感染症とされています。
しかし、症状が乏しいことが多く感染に気づかず治療が遅れると、上記のような深刻な合併症が発生する可能性が高まります。
以下のポイントを参考に、早期発見・早期治療に努めましょう。
- 定期的な検査の実施
性交渉を行っている女性は、症状の有無にかかわらず、定期的な性感染症検査を受けることが推奨されます。特に新しいパートナーとの関係が始まった場合や、複数のパートナーとの関係がある場合は、積極的に検査を受けることで、感染拡大のリスクを低減できます。 - パートナーとの連携
感染が確認された場合は、パートナーも同時に検査・治療を受けることが、再感染防止のために不可欠です。
予防と健康管理のポイント
女性が健康を守るためには、正しい知識と予防策が必要です。以下の対策を実践し、クラミジア感染症のリスクを低減させましょう。
- 正しいコンドームの使用
性交渉時には必ずコンドームを使用し、粘膜間の直接接触を避けることで、感染リスクを大幅に減少させることができます。 - 定期検診の習慣化
自覚症状がなくても、性感染症検査を定期的に実施することで、早期に感染を発見し、適切な治療を受けることが可能になります。 - 情報収集と啓蒙活動
性感染症に関する正しい知識を持ち、医療機関や信頼性の高いウェブサイトから最新の情報を得ることが、自己防衛につながります。
まとめ
女性のクラミジア感染症は、自覚症状がほとんどないため、気づかぬうちに感染が進行し、骨盤内炎症性疾患や不妊症、母子感染といった深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
早期発見・早期治療を実現するためには、定期検査や正しい予防策の実践が不可欠です。
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日々の生活の中で、正しい知識を身につけ、定期検査を習慣化することで、クラミジア感染症のリスクを最小限に抑え、安心して健やかな毎日を送るための第一歩を踏み出しましょう。