テストステロンが高すぎるとどうなる?知っておきたい影響と対策法

最終更新日: 2024年07月25日

はじめに

テストステロンは、男性ホルモンとして知られていますが、その役割にはさまざまなものがあります。
例えば、筋肉の増大や骨格の発達、性器の成熟、皮脂腺の肥大、体毛の増加、そして性欲や気力、集中力の維持など、健康と活力を保つために非常に重要です。
しかし、テストステロンが高すぎることは、いろいろな健康問題を引き起こす可能性があります。
本記事では、テストステロンの基準値、過剰なテストステロンの弊害、その原因と対策について詳しく解説します。男性ホルモンのバランスを保つために必要な知識を身につけ、自身の健康管理に役立てるため、ぜひ参考にしてみてくださいね。

テストステロンとは何か

テストステロンは、男性ホルモンの一種であり、主に男性の精巣と副腎、女性の卵巣と副腎で分泌されるホルモンです。
このホルモンは、筋肉の増大や骨格の発達、性器の成熟、皮脂腺の肥大、体毛の増加、性欲や気力、集中力を保つといった多岐にわたる役割を果たします。
特に男性にとっては、健康と活力を維持するために非常に重要なホルモンであり、男性らしさを保つための鍵となる存在です。

テストステロンの基準値

テストステロンの基準値は年齢や時間帯によって変動します。
一般的に、総テストステロンと遊離テストステロンの2種類があり、血中には両方が存在し、唾液中には遊離テストステロンが分泌されます。
男性のテストステロン濃度は20代で最も高く、その後徐々に低下していきます。
70代の血中濃度は20代の半分程度にまで減少します。テストステロンの正常値は、成人男性でおよそ300〜1,000 ng/dL(ナノグラム・パー・デシリットル)とされています。

テストステロンが高すぎることによる弊害

低テストステロンが引き起こす健康問題については広く知られていますが、高テストステロンがもたらす問題についてはあまり知られていません。
一般的に、テストステロンは筋肉量の増加や健康的な体型の維持に役立ちます。しかし、過剰なテストステロンは以下のような健康問題を引き起こす可能性があります。

精子量の減少

テストステロンが高すぎると、精子の生成が抑制され、不妊の原因となることがあります。

心臓への負担増

高テストステロンは心臓病のリスクを増加させる可能性があります。

前立腺肥大

テストステロンの過剰は前立腺の肥大を引き起こし、排尿困難や尿路感染症のリスクを高めます。

不眠、頭痛

高テストステロンは睡眠障害や頭痛を引き起こすことがあります。

高血圧

血圧の上昇を招き、高血圧のリスクが増加します。

攻撃的な振る舞いや感情の起伏の増加

高テストステロンは感情の起伏が激しくなり、攻撃的な行動が増える可能性があります。

テストステロンが高くなる原因と対策

何もせず過剰なテストステロンが体内で生成されることは稀です。
ほとんどの場合、外部的な要因が過剰なテストステロン生成につながります。以下はその主な例と対策です。

原因

タンパク質同化ステロイドの使用

筋肉増強剤として大量に使用されるタンパク質同化ステロイドは、テストステロン値を著しく上昇させます。
タンパク質同化ステロイドは、テストステロン低値の治療に使われますが、治療のための量であれば問題を起こすことはほとんどありません。
しかし、アスリートなどがタンパク質同化ステロイドの過剰摂取することによって、男性では女性化乳房(乳房が大きくなることです)や、精巣の萎縮、精子数の減少などが引き起こされます。女性では、体毛の増加や乳房の縮小などの男性化が起こります。

前立腺や睾丸の腫瘍

良性または悪性の腫瘍がテストステロンの過剰分泌を引き起こすことがあります。

テストステロン補充療法(TRT)

治療の一環として行われるテストステロン補充療法も、過剰なテストステロンの原因となることがあります。

対策

ステロイドの使用中止

タンパク質同化ステロイドの使用を中止することで、テストステロン値を正常に戻すことができます。
しかし、男性の女性化乳房や、女性の男性化は元に戻らないこともあります。

腫瘍の検査と治療

前立腺や精巣の腫瘍が疑われる場合は、専門医による検査と適切な治療が必要です。

TRTのテストステロン投与量の確認と調整

テストステロン補充療法を受けている場合、医師と相談して投与量を適切に調整することが重要です。

まとめ

テストステロンは、健康を維持するために必要なホルモンですが、低すぎても高すぎても問題を引き起こします。適切なテストステロン値を維持することが大切です。
そのために、健康的な生活習慣を保ちましょう。さらに、もしも高テストステロンが疑われる場合は、早めに検査を受け、必要に応じて専門医の診断と治療を受けることが重要です。
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参考文献

加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き 編集 日本泌尿器科学会 他

日本人成人男子の総テス トステロン, 遊離テス トステロンの基準値の設定.日泌尿会誌.2004;95(6):751-760.

タンパク質同化ステロイド – MSDマニュアル家庭版