最終更新日: 2023年10月31日
みなさんは「甲状腺ホルモン」という言葉を聞いたことはありますか?
「名前だけなら聞いたことはある。」「女の人にかかわるホルモン?」「働きや甲状腺ホルモンが私たちの身体にどんな影響があるかまでは知らない。」という方が多いのではないでしょうか。
甲状腺ホルモンは我々人間が生きていく中でとても大切で、なくてはならないホルモンの一つです。日頃の不調の中に、ひょっとすると甲状腺の病気が隠れているかもしれません。
今回は、甲状腺ホルモンの働きと、甲状腺ホルモンと関連のある症状・病気について解説します。
甲状腺とは?
甲状腺は喉ぼとけの下にあり、蝶のような形をしている臓器です。
甲状腺ホルモンは、食べ物に含まれるヨウ素から生成され、甲状腺から適切な量を調整されながら血液中に分泌されることで、全身に運ばれていきます。余った甲状腺ホルモンは甲状腺に蓄えられ、不足したときに必要な量が分泌されるように調節されています。
甲状腺ホルモンは、全身のエネルギー代謝やさまざまな臓器の機能を活性化するためにとても重要なホルモンです。骨や神経、精神状態にも関わり、子どもの成長と発達を促すといった作用もあり、人間にとって不可欠なものです。女性の場合、甲状腺ホルモンの異常は不妊や流産、早産の原因にもなります。
本来はバランスのとれている甲状腺ホルモンですが、甲状腺の機能に異常があると、甲状腺ホルモンのバランスが崩れてしまいます。
甲状腺ホルモンが関わる病気
甲状腺ホルモンによる病気の症状は全身に現れ、また精神的な症状にも似ているので「不定愁訴」「自律神経失調症」「うつ病」などとほかの病気に間違われることが多々あります。
もし、下記のような症状にいくつか当てはまる場合は、甲状腺の検査を受けてみるといいかもしれません。
〈甲状腺ホルモンが多すぎる場合〉
・疲れやすい
・眠りが浅い
・イライラする
・心臓がドキドキする、脈が早い
・汗をたくさんかく
・食べているのに体重が減る
・月経不順
・眼球が出てくる
〈甲状腺ホルモンが不足している場合〉
・疲れやすい
・いつも眠い
・脈が遅い
・寒さに弱くなった
・肌が乾燥する
・食べていないのに体重が増える
・月経不順
甲状腺の働きが強すぎる‐甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症の代表的な病気の一つにバセドウ病があります。
20~30代の女性に多くみられ、男女比は1:5で女性に多い病気です。よく見られる症状は、甲状腺の腫大、頻脈、眼球突出で、動機や息切れを自覚することが多くなります。
・甲状腺機能亢進症の治療
抗甲状腺製剤と呼ばれる、甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を使って、甲状腺ホルモンの産生と分泌を抑えます。
ほかにも、アイソトープ(放射性ヨウ素)治療、手術で直す方法があります。
・甲状腺機能亢進症の検査方法
甲状腺ホルモン検査でFT3(トリヨードサイロニン)、FT4(サイロキシン)の値、甲状腺刺激ホルモン検査でTSHの値を調べます。
T3とT4からは甲状腺機能に異常がないかどうか、TSHからは甲状腺ホルモンの分泌機能に異常がないかどうかを調べることができます。
FT3、FT4が高値でTSHが低値の場合、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症の疑いがあります。
甲状腺の機能が低すぎる‐甲状腺機能低下症
「橋本病」という名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、「橋本病=甲状腺機能低下症」ではありません。橋本病は慢性の炎症が起こりますが、炎症が軽度であれば甲状腺の機能は正常です。炎症が進行すると甲状腺の働きが悪くなってしまい、甲状腺機能低下症になります。男女比は1:20で女性に多い病気です。
症状としては、甲状腺が腫れ、むくみ、皮膚の乾燥などが起こります。
・甲状腺機能低下症の治療
甲状腺ホルモン剤を服用して、甲状腺ホルモンを補います。
甲状腺機能が正常な場合は治療不要ですが、妊娠中などでは機能が正常でも服用することがあります。
・甲状腺機能低下症の検査方法
採血では甲状腺機能亢進症と同じくFT3、FT4、TSHについて調べます。
FT3、FT4が低値で、TSHが高値の場合に甲状腺機能低下症の疑いがあります。
甲状腺の機能が心配なときはウェルミル
ウェルミルでは、甲状腺ホルモンのTSHとFT4を自宅で簡単に検査することができます。
病院に行かずに、自宅で高精度の検査を受けることができ、結果はWEBで確認する便利なサービスです。
なんとなく調子が悪いのが気になる、でも仕事や育児で病院を受診する時間がない方にはウェルミルの検査キットがおすすめです。一度ウェルミルの検査キットで甲状腺ホルモンを手軽にチェックしてみませんか?