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抗ミュラー管ホルモン(AMH)とは
抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、女性の卵巣にある卵子の元である卵胞(前胞状卵胞;ぜんほうじょうらんぽう)から分泌されるホルモンです。
この前胞状卵胞は将来、排卵可能な成熟卵胞へと成長します。
AMHは、卵巣予備能(卵巣内に排卵可能な卵子がどれくらい残っているか)を示す重要な指標であり、不妊治療や妊活を考える際に非常に重要です。 卵巣の予備能のことを、「卵巣年齢」ということもあります。これは、卵巣に残っている卵子の数が何歳相当のものであるかを表すものです。
AMHの血中濃度とその意味
AMHの血中濃度は思春期以降に上昇し、25歳頃にピークを迎え、その後は年齢とともに徐々に減少します。 このため、AMH値を測定することで、同年齢の女性と比較して残存卵子の数が多いか少ないかを確認することができます。
年齢が上がるにつれてAMH値は低下していきます。AMH値を定期的に測定することで、卵巣の状態をモニタリングし、適切な時期に妊活や不妊治療を開始するための指標とすることができます。
AMH値が低いと、卵巣内の卵胞数が減少していることを示し、妊娠の可能性が低くなることがあります。AMH値が低いからといって絶対に妊娠できないわけではありませんが、適切な時期に妊活や不妊治療を開始するための指標とすることができます。
AMH検査によって分かること
ここからはAMH検査をするとどのようなことがわかるのかについてご紹介します。
卵巣予備能(卵巣年齢)の評価
AMH値を測定することで、卵巣内の卵胞数を知り、将来の妊娠可能性を予測することができます。
不妊治療計画の参考
不妊治療の際、AMH値を参考にして治療方法を決定することがあります。例えば、体外受精(IVF:In Vitro Fertilization )や刺激法、薬物治療を検討する指標として用いられます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)の診断
一般的には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断や治療の計画を立てる際に、AMH値が参考になります。PCOSの女性は通常、AMH値が高い傾向があるため、この値を基に診断が行われます。
AMHの数値が高い場合の影響と対策
AMHの数値が高い場合、一般的には卵巣予備能が高いことを意味します。つまり、卵巣に多くの卵胞が存在し、卵巣の機能が良好であることが多いです。また、卵巣刺激に対する反応が良く、多くの卵子を採取できる可能性が高くなります。
しかし、AMHが高ければ必ずしも良いわけではありません。AMHの数値が著しく高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性も考えられます。PCOSはホルモンバランスの乱れにより月経不順や排卵障害を引き起こし、不妊や肌荒れ、体毛の増加などの症状が見られることがあります。さらに、子宮内膜症や子宮がんのリスクにもなりうるため、早期発見と治療が重要となります。
PCOSと診断された場合、ホルモンバランスを整えるための治療や生活習慣の改善が推奨されます。特に、肥満を改善することで症状や状態が改善することがあります。肥満の改善には、生活習慣の見直しが重要です。例えば、食事療法や運動を通じて体重管理を行い、肥満をなくすことが有効です。また、医師の指導下で、低用量ピルやホルモン剤を使用することで月経サイクルを安定させることもあります。
AMHの数値が低い場合の影響と対策
一方で、AMHの数値が低い場合は、卵巣予備能が低下している可能性があり、加齢による卵巣機能の低下や早期閉経などが考えられます。この場合、自然妊娠の確率が低くなる可能性があるため、妊娠を希望する場合には早めの対応が必要です。しかし、低用量ピルを内服中の場合、AMHが実際の数値より低く測定される可能性があるため、正しい数値を知るためにはピルを1ヵ月以上休薬した後に検査するのが安心です。
AMHの数値が低いと診断されても問題ないことも少なくありません。しかし、妊娠を希望する場合は、妊娠確率を上げるための対応が必要になることがあります。そして、AMHの数値が低くなってしまった場合も、卵巣機能を維持するために、生活習慣の改善が推奨されます。特に喫煙や過度の飲酒、肥満は卵巣機能に悪影響を与える可能性があります。そのため、禁煙や節酒、体重管理のため、バランスの取れた食生活や十分な睡眠、適度な運動を心がけることが大切です。
まとめ
AMHは卵巣予備能(卵巣年齢)の評価に非常に有用なホルモンですが、他の健康状態や検査結果も総合的に考慮しながら、妊娠の可能性や治療方法を検討することが重要です。 AMH値を定期的に測定し、自身の卵巣の状態を把握することで、適切な妊活や不妊治療の計画を立てることができるでしょう。
ウェルミルのAMH検査
ウェルミルでは、AMHを血液検査で簡単に測定することができます。生理周期と関係なくお好きなタイミングで採血可能で、検査結果は検体を受領してから通常数日以内に見ることができます。検査結果を基に、今後の妊活の方針を考えることに役立ちます。
検査の流れ
- 採血・返送:自己採血キットで血液を採取し、返送用レターパックで返送してください。
- 検査:検体を受領後、 AMH値を測定します。
- 結果の送付:検査結果はご登録のメールアドレスにPDFとして送付します。
年齢(女性) | 血中AMH値(ng/mL) |
20~24歳 | 2.00~12.5 |
25~29歳 | 1.95~10.7 |
30~32歳 | 0.64~14.2 |
33~35歳 | 0.89~8.31 |
36~38歳 | 0.40~6.92 |
39~41歳 | 0.11~7.26 |
42~44歳 | 0.07~4.13 |
45~49歳 | <0.01~1.52 |
出典:医薬品医療機器総合機構
※検査結果は診断ではありません。
検査結果数値はプレチェックとしてご利用いただき、体調に不安などがある場合は、かかりつけの病院など医療機関を受診するようお願いいたします。
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株式会社リプロセル(運営会社)について
iPS細胞ビジネスのトップランナーとして
株式会社リプロセルは、2003年に京都大学・東京大学発の再生医療ベンチャーとして設立されました。 2013年にはJASDAQ へ上場し、現在日本・アメリカ・イギリス・インドに拠点を有し、グローバルにビジネスを展開しています。
リプロセルは創業以来、先駆的にiPS細胞の事業化を進めています。2007年に京都大学の山中教授が、世界で初めてヒトiPS細胞を作製した実験でも、当社の培養液が使用されました。また2009年には、世界初のiPS 細胞製品としてiPS心筋細胞の販売を開始しました。
2024年現在、当社の製品は、世界中で9,000件以上の論文に引用されています。そして2016年より、本格的に再生医療分野に進出し、3つの再生医療製品の研究開発も進めております。
リプロセルは、今後ともiPS細胞ビジネスのトップランナーとして再生医療・医学・バイオ技術の発展に貢献すべく、挑戦を続けてまいります。
- ウェブサイト/https://reprocell.co.jp/
- 設立/2003年2月
- 上場/2013年(東証グロース 4978)