PSAとは?

前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺が分泌するタンパク質で、前立腺の健康状態を示す重要な指標です。
PSAは前立腺に特有であり、前立腺がんや前立腺肥大、前立腺炎などの疾患で値が上昇することが知られています。健康な男性では一般的にPSA値は4.0ng/mL以下とされますが、年齢とともにわずかに上昇する傾向があります。

PSAの基準値

PSA値の基準は年齢によって異なり、50〜64歳では3.0ng/mL以下、65〜69歳では3.5ng/mL以下、70歳以上では4.0ng/mL以下が推奨されています。ただし、PSA値が10ng/mL以上であっても前立腺がんが発見されないことがある一方、基準値以下であっても前立腺がんが見つかる場合もあります。また、PSA値が100ng/mLを超える場合、前立腺がんが強く疑われ、転移がすでに進行している可能性も考えられます。

誰がPSA検査を受けるべきか?

PSA検査は、次のような方々に特に推奨されます。

①40歳以上の男性

PSA値は年齢とともに上昇し、前立腺がんのリスクも高まります。50歳を過ぎた男性に定期的なPSA検査が推奨されますが、40歳以上からの検査も検討するとよいでしょう。

②家族に前立腺がんの既往がある方

遺伝的要因も前立腺がんのリスクに影響を与えます。家族に前立腺がんの罹患歴がある場合、家族に前立腺がんがいない人よりもリスクが高くなるため、早めの検査が特に重要です。

③前立腺肥大や前立腺炎の既往がある方

前立腺に関連する疾患が既にある場合、PSA検査を定期的に行うことで、前立腺がんなどの進行性の疾患を早期に発見することができます。

④排尿に関する問題がある方

尿の出が悪くなったり、頻尿などの症状が見られらたりする場合、前立腺に異常がある可能性があるため、PSA検査を通じて状態を確認することが推奨されます。

⑤定期的な健康チェックを希望する方 

健康診断の一環としてPSA検査を受けることは、前立腺がんを含むリスクを早めに見つけ、早く治療を始めるために役立ちます。

前立腺がんリスクチェックの重要性

前立腺がんは、早期に発見されるほど治療の成功率が高まります。しかし、症状が現れるまで進行することが多く、PSA検査が早期発見に役立つツールです。特にリスクの高い方々は、定期的な検査を受けることで、健康状態をモニタリングし、異常があれば速やかに対応できます。

PSA検査の普及により、多くの男性が前立腺がんを早期に発見し、治療を受けることが可能になっています。PSA検査は、特にリスクの高いグループにおいて定期的に実施されるべきです。前立腺がんのリスクが増大する年齢層では、症状が出る前にPSA検査を受けることで、がんを早期に発見し、必要な対策を迅速に行うことが可能です。

また、前立腺がんは進行しても症状が乏しい場合が多いため、定期的な検査を行うことが重要です。早期発見によって手術や放射線治療などの治療効果が高まることが多く、患者の生存率を大きく向上させることができます。

自宅での郵送型PSA検査のメリット

自宅でPSA検査を行えることの大きな利点は、忙しい日常生活の中でも手軽に健康チェックができることです。クリニックでの検査は、時間や予約が必要なため、タイミングが難しいこともありますが、自宅検査キットを使うことで、好きなタイミングで検査ができます。

また、検査結果に基づいて異常が見つかれば、早期に専門医に相談するきっかけとなります。自宅での検査は、定期的な健康管理を簡単に行う方法として、病院を受診するハードルを下げ、生活習慣の見直しをするきっかけとなる可能性があります。

まとめ

PSA検査は、前立腺の健康状態を把握し、前立腺がんの早期発見に役立つ重要な検査です。特にリスクの高い方は、定期的な検査を通じて健康状態を確認し、早期に対応することをおすすめします。自宅で簡単に検査ができることで、健康意識が高まり、前立腺の異常を早期に発見できることが期待できるでしょう。早期発見と定期的な健康管理を心がけましょう。

参考文献

PSAが高いと言われた | 日本泌尿器科学会 (The Japanese Urological Association)【一般のみなさま】

前立腺がん 検査:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

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