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テストステロンとは
テストステロンは、男性ホルモンの一種であり、男性では主に精巣と副腎で分泌されるホルモンです。女性でも卵巣と副腎で分泌されることが知られています。
このホルモンは、体内で非常に重要な役割を果たしています。特に、男性においてはその健康と活力を支える鍵となる存在です。
テストステロンは筋肉の増大、骨格の発達、性器の成熟、皮脂腺の肥大、体毛の増加、そして性欲や気力、集中力を保つために欠かせません。一般的に、男性にとって非常に重要なホルモンとされていますが、実は女性にも必要なホルモンであり、女性の健康にも多くの影響を及ぼします。
テストステロンの血中濃度は男性において一日の間で大きく変動し、朝に高くお昼前後から下がっていく傾向にあります。また、テストステロンは20代ごろにピークを迎え、年齢が上がるとともに下がっていきます。年齢がテストステロン低下の一番の要因ですが、それ以外にも環境の変化やストレス、食生活などの生活習慣もテストステロンの血中濃度に大きく関わっています。
<悩みを抱える世代が幅広いのが特徴>
女性の更年期に比べ、男性は更年期の悩みを抱える世代の幅が広いとされています。これは閉経期にホルモンの乱れが集中しやすい女性に対し、男性の性ホルモンは30代以降に徐々に低下していき、比較的若い時期から老齢期まで、いずれの年代でも更年期障害を発症する可能性があるためです。
テストステロン検査の対象としておすすめの方
テストステロン検査は、性欲の低下や筋力の低下、集中力の低下を感じる方、または性ホルモンバランスに不安を感じる方に特におすすめです。
これらの症状は、テストステロンの早期減少や異常を示唆している可能性があるため、早めに検査を受けることで、適切な対策を講じることができます。
まずは簡便な郵送検査でプレチェックし、もし不安があれば医療機関へ受診して精密に検査することも一つの手段です。 また、トレーニングを行っている方にも、体づくりの指標としてテストステロンを郵送でモニタリングすることは有効な手段の一つと考えられます
また、テストステロンの濃度は朝一番に最も高くなるため、検査は朝に行うことが推奨されます。
唾液中テストステロン検査の検査結果数値は、たとえば下記のように解釈することもできます。
テストステロン検査結果の見方(参考) ※診断ではございません。参考の一つとしてください。
年代 | 検査結果数値 | 考えられる可能性(参考) |
19~49歳 | 191.4 pg/mL未満 | 基準値を下回っているようです。男性更年期のリスクが不安な方は、念のため医療機関の受診をおすすめします。本紙で一般的にテストステロンを上げる効果が期待される生活習慣等も記載しておりますので、参考にしてください。 |
191.4~206.5 pg/mL | 基準値の範囲内です。ただし、テストステロン値は今後も変動する可能性がありますので、定期的なモニタリングをしつつ、もし不調を感じ始めたら、医療機関への受診を検討してください。 | |
206.5 pg/mL超 | 基準値を上回っているようです。男性更年期のリスクが心配ない方も、今後も体調の変化には気をつけて過ごすことが望ましいです。 | |
50~70歳 | 137.0 pg/mL未満 | 基準値を下回っています。男性更年期のリスクが不安な方は、念のため医療機関の受診をおすすめします。本紙で一般的にテストステロンを上げる効果が期待される生活習慣等も記載しておりますので、参考にしてください。 |
137.0~150.6 pg/mL の中で低め | 基準値の範囲内です。ただし、テストステロン値は今後も変動する可能性がありますので、定期的なモニタリングをしつつ、もし不調を感じ始めたら、医療機関への受診を検討してください。 | |
150.6 pg/mL超 | 基準値を上回っています。男性更年期のリスクが心配ない方も、今後も体調の変化には気をつけて過ごすことが望ましいです。 |
テストステロンの血中濃度が低すぎる場合の影響と対策
テストステロンの血中濃度が低下すると、男性にとって様々な健康問題が生じる可能性があります。例えば、性欲の低下や集中力の低下、筋肉量の減少、そして毛髪量の減少などが挙げられます。テストステロンが減少することは、主に男性更年期症状の原因となっています。これらの症状は、日常生活において大きな支障をきたすことが多く、早期に対策を講じることが重要です。
女性の場合でも、テストステロンの低下は疲労感や抑うつ、性欲の低下などの症状を引き起こすことがあります。これらの症状は、生活の質を著しく低下させるため、適切な管理が必要です。
テストステロンの低下によって引き起こされる更年期症状が気になる男性は、まずは医療機関に相談・検査するのが賢明です。泌尿器科などで専門外来を設置している医院は数多くあります。対策としては以下のような例が考えられます。医師に相談したうえで、生活習慣の改善など検討することをおすすめいたします。
<運動療法・食事療法などで改善>
運動療法や食事療法、生活習慣の改善指導、ストレス原因の特定のためのカウンセリングなどが一般的にあります。
・筋力トレーニングなどの運動療法
自分でできるもので特に効果的なものは「筋力トレーニング(筋トレ)」で、男性ホルモンの分泌量アップに高い効果があるとされています。
例えば、1日に30分程度のウォーキングなどの有酸素運動や、身体に負担がかからない程度の筋肉トレーニングとストレッチを週に3回程度、無理のない範囲で継続的に実践することがとても重要です。
・更年期についての知識を増やす
「更年期」と聞いても漠然としたイメージしか湧かない人も多いのではないでしょうか。一般的な更年期の症状、原因、対処法についての知識を増やすことで、より自身やパートナーの状況を理解することができます。また、当事者やそのパートナーによる更年期体験談を読むことで心の支えになったり、試してみたいケアなども見つかったりするかもしれません。いざという時に頼れる医療機関や、自助グループの情報も収集しておくと安心です。
・しっかり眠ってテストステロンを増やす
睡眠は脳や体の休養、疲労回復、記憶の固定など、言うまでもなく私たちの健康維持に大切な生活習慣です。ホルモンに与える影響は大きく、バランスを維持するために十分な睡眠を取る必要があります。ある研究では、睡眠不足が1週間続くとテストステロンは15%減少する、と報告されています。睡眠中には成長ホルモンも多く分泌されるため、筋トレの成果を上げるためにも睡眠は非常に重要であると言えます。
・日光浴でテストステロンを増やす
日光浴とテストステロンの関係にはビタミンDが関与しています。ビタミンDはカルシウムの吸収を促すことで骨を強くする効果があるとともに、テストステロンの合成に関わる栄養分です。ビタミンDのサプリメントを接種することでテストステロンが増加したという研究報告があります。
ビタミンDは食事からとることも可能ですが、太陽の光を浴びると体内で合成される成分です。適度な日光浴をすることでビタミンDを増やし、テストステロンを分泌しやすくできる可能性があります。ビタミンD自体にも筋肉のタンパク質合成を促す効果があるとされるため、筋トレの効果も上げる働きが期待されます。
・テストステロンを増やす食習慣
テストステロンは体内で合成されるホルモンなので、栄養、つまり食事も重要です。
適度な摂取が推奨される食材としては、ステロイドホルモンの原料となるコレステロールやタンパク質を適度に含んだ卵や大豆や肉類、生殖器官に必要なミネラルとなる亜鉛を含んだ牡蠣、抗酸化作用により細胞の老化を防ぐトマトなどが挙げられます。
テストステロンは午前11時くらいをピークに増加するリズムを持つため、栄養源となる朝食を摂取することにより規則正しい生活を送ることと、良質な睡眠を得るために夕食の量を加減することも大切になります。
下記に補足を記載します。
① 肉類を食べて良質なタンパク質をとる
タンパク質を含む食事はテストステロンの合成を促します。植物性タンパク質よりも動物性タンパク質の効果が高いと考えられています。肉類に含まれるタンパク質(アミノ酸)の一種であるカルニチンはテストステロンの分泌を高める作用があります。カルニチンはラム肉などに多く含まれているとされています。
② 貝類を食べてアミノ酸と亜鉛を確保
肉類からタンパク質をとろうと思うと脂質も同時に増えがちです。適度な脂質は体調を維持するために必要ですが、過剰になると逆効果になることも考えられます。そこで、低脂肪かつ良質なアミノ酸を多く含む貝類もおすすめです。
貝類はミネラルが豊富でカルシウムや鉄、亜鉛、マグネシウムなどを含んでいます。亜鉛は精巣に働きかけテストステロンの分泌を促すとされています。アミノ酸と亜鉛両方の効果で、テストステロンを増やす働きが期待されます。
③ 骨密度の低下を防ぐための食事
男性ホルモンの低下によって、骨密度が低下したり、血中コレステロール値が上昇したりと、目に見えないところでも変化があらわれます。たとえば、カルシウムを豊富に含む緑黄色野菜や大豆製品を食べることは骨粗しょう症の予防につながります。また、有酸素運動は脂肪燃焼に加えて、ほてりや発汗などの症状を緩和する効果があるといわれています。
<中度~重度になるとホルモン補充も>
薬物療法としては、漢方薬なども活用されていますが、欧米の医療で盛んな「ホルモン補充療法」も広く選択されるようになりました。希望する場合は、必要な専門知識を持つ医師に相談しましょう。
▼ドラッグストアで取り扱っているホルモン補充剤もあるようです。
<生活習慣と早めのチェックで予防>
生活習慣の改善(特に運動不足解消)のためにも、男性の更年期障害対策は、早めのチェックが有効であることがわかりますね。自分の健康状態を知ることは、他の疾患リスクにも対応できますので、予防をしたい人にはおすすめです。
▼男性更年期障害については、以下のコラムでもまとめていますので、ぜひご参考ください。
テストステロンの血中濃度が高すぎる場合の影響と対策
一方で、テストステロンの血中濃度が高すぎる場合も問題を引き起こします。
男性の場合、心臓病や肝臓病のリスクが増加し、頭痛や不眠、高血圧や高コレステロールなどの健康問題が発生する可能性があります。
女性においても、テストステロンの過剰は排卵障害やニキビの増加、多毛症などの症状を引き起こすことがあります。
これらの症状は、見た目の問題だけでなく、内面的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。
ただし、先にも述べたようにテストステロンの血中濃度は一日の間で大きく変動し、一概に高すぎるからと言ってすぐに問題を引き起こすとは限りません。慢性的に必要以上に高い状態が続いているときは注意が必要です。
何もせず慢性的にテストステロンが高くなることは稀です。
ほとんどの場合、外部的な要因が過剰なテストステロン生成につながります。以下はその主な原因例と対策です。
<タンパク質同化ステロイドの使用が原因となる場合>
筋肉増強剤として大量に使用されるタンパク質同化ステロイドは、テストステロン値を著しく上昇させます。
タンパク質同化ステロイドは、テストステロン低値の治療に使われますが、治療のための量であれば問題を起こすことはほとんどありません。
しかし、アスリートなどがタンパク質同化ステロイドの過剰摂取することによって、男性では女性化乳房(乳房が大きくなることです)や、精巣の萎縮、精子数の減少などが引き起こされます。女性では、体毛の増加や乳房の縮小などの男性化が起こります。
その場合、タンパク質同化ステロイドの使用を中止することで、テストステロン値を正常に戻すことができます。
しかし、男性の女性化乳房や、女性の男性化は元に戻らないこともあります。
<前立腺や睾丸の腫瘍が原因となる場合>
良性または悪性の腫瘍がテストステロンの過剰分泌を引き起こすことがあります。前立腺や精巣の腫瘍が疑われる場合は、専門医による検査と適切な治療が必要です。
<テストステロン補充療法(TRT)が原因となる場合>
治療の一環として行われるテストステロン補充療法も、過剰なテストステロンの原因となることがあります。テストステロン補充療法を受けている場合、医師と相談して投与量を適切に調整することが重要です。
▼テストステロン値が高い場合の影響については、以下のコラムでもまとめていますので、ぜひご参考ください。
テストステロン検査の重要性
テストステロン検査は、体内のホルモンバランスを知るために非常に重要です。
検査を通じて、テストステロンの不足や過剰を早期に発見し、適切な対策をとることが可能になります。
まとめ
今回の記事では、テストステロンとはどのような働きのあるホルモンなのかについて解説しました。テストステロンは、男女共に健康を維持するために重要なホルモンです。
特に男性にとっては、性欲や筋力、集中力の維持に欠かせない存在です。
定期的な検査を行うことで、ご自身のホルモンバランスを都度把握し、生活習慣の改善や適切な治療を行うための情報を得ることができます。
健康で活力ある生活を送るために、テストステロンの検査をぜひ取り入れてみてください。
下記医療機関で導入いただいています
〒468-0011 愛知県名古屋市天白区平針2丁目1906
KMビル
▼LOH症候群(男性更年期障害)診療案内(オンライン診療あり)
https://saiclinic.com/loh/
検査結果について、何か質問があれば診察の前にオンライン無料相談も可能です。
参考文献
Understanding How Testosterone Affects Men | National Institutes of Health (NIH).
13.男性更年期障害(LOH症候群).日本内科学会雑誌.2013;102:914-921.
加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き 編集 日本泌尿器科学会 他
日本人成人男子の総テス トステロン, 遊離テス トステロンの基準値の設定.日泌尿会誌.2004;95(6):751-760.
ウェルミルの唾液テストステロン検査
ウェルミルでは、遊離テストステロンを唾液検査で簡単に測定することができます。日内変動があるホルモンなので、朝起きてすぐの唾液採取がおすすめです。検査結果は検体を受領してから通常約2週間以内に見ることができます。唾液中の遊離テストステロンと血液中の総テストステロンの濃度は相関が見られることが知られていますので、検査結果を基に、今後の生活や対策の方針を考えることに役立ちます。
唾液検査とは
唾液中の遊離テストステロンと血液中の総テストステロンの濃度には、相関が見られることが知られています。そのため、血液を採取せずとも、テストステロン値をより簡単に測定することができます。
ウェルミルの唾液検査は、スポンジを口に含むだけで検体を採取することができます。従来の唾液採取キットのように、長い時間をかけて容器に唾液を集める必要はありません。
検査の流れ
- 唾液採取・返送:自己採取キットで唾液を採取し、返送用レターパックで返送してください。
- 検査:検体を受領後、 唾液中の遊離テストステロン値を測定します。
- 結果の送付:検査結果はご登録のメールアドレスにPDFとして送付します。
年齢(男性) | 唾液中の遊離テストステロン値(pg/mL) |
19~49歳 | 191.4~206.5 |
50~70歳 | 137.0~150.6 |
出典:医薬品医療機器総合機構
※検査結果は診断ではありません。
検査結果数値はプレチェックとしてご利用いただき、体調に不安などがある場合は、かかりつけの病院など医療機関を受診するようお願いいたします。
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株式会社リプロセル(運営会社)について
iPS細胞ビジネスのトップランナーとして
株式会社リプロセルは、2003年に京都大学・東京大学発の再生医療ベンチャーとして設立されました。 2013年にはJASDAQ へ上場し、現在日本・アメリカ・イギリス・インドに拠点を有し、グローバルにビジネスを展開しています。
リプロセルは創業以来、先駆的にiPS細胞の事業化を進めています。2007年に京都大学の山中教授が、世界で初めてヒトiPS細胞を作製した実験でも、当社の培養液が使用されました。また2009年には、世界初のiPS 細胞製品としてiPS心筋細胞の販売を開始しました。
2024年現在、当社の製品は、世界中で9,000件以上の論文に引用されています。そして2016年より、本格的に再生医療分野に進出し、3つの再生医療製品の研究開発も進めております。
リプロセルは、今後ともiPS細胞ビジネスのトップランナーとして再生医療・医学・バイオ技術の発展に貢献すべく、挑戦を続けてまいります。
- ウェブサイト/https://reprocell.co.jp/
- 設立/2003年2月
- 上場/2013年(東証グロース 4978)